太陽光発電の費用対効果|自家消費・売電・回収年数の計算
太陽光の経済性は「売電額」だけでは判断できません。発電した電気を家庭で使って回避できる購入費、余剰売電、設置費、維持・修理、屋根工事、撤去を同じ期間で計算します。
Solar Economics
年間便益=自家消費kWh×回避単価+売電kWh×売電単価
回避単価は請求額全体の単純平均ではなく、自家消費によって実際に減る電力量料金、燃料費調整、再エネ賦課金等を契約に沿って確認します。基本料金は使用量を減らしても下がらない場合があります。
2026年度FITの扱い
2026年度に新規認定される10kW未満の住宅用太陽光は、調達価格が1~4年目24円/kWh、5~10年目8.3円/kWhです。初期投資支援スキームのため前半と後半で単価が異なります。既設設備や認定年度が違う設備には、その設備の認定条件を使います。
計算に入れる費用
| 初期費用 | 運転中・将来費用 |
|---|---|
| パネル、架台、パワコン、配線、モニター | 点検、清掃、通信、保険 |
| 標準工事、足場、補強、防水、申請 | パワコン等の修理・交換 |
| 系統連系、追加電気工事 | 屋根改修時の脱着 |
| 設計・現地調査 | 撤去、収集運搬、再資源化・処分 |
3つのシナリオで比較
- 標準:業者の根拠ある発電予測、現在の昼間使用量、契約済み単価を使用
- 慎重:発電量と自家消費率を下げ、修理・屋根脱着を多めに計上
- 有利:日射条件が良く、昼間需要があり、追加工事が少ない場合
単純回収年数は「初期の自己負担額÷年間の正味便益」で概算できますが、4年後の売電単価変化、設備劣化、電気料金変動を表せません。年ごとのキャッシュフローも作り、10年・15年・20年時点の累計を確認します。
過大な試算を見抜く
- 自家消費と売電の同じkWhを二重に計上している
- 全発電量を高い購入単価で評価している
- 影、積雪、出力制御、温度、機器損失を説明しない
- パワコン交換、足場、屋根修繕、撤去費がゼロ
- 補助金が不採択でも同じ自己負担になると説明する