ビットコインの電力消費と環境負荷

ビットコインの消費電力は大きい一方、「1取引でカード決済の何千倍」といった単純比較だけでは実態を説明できません。仕組み、推計条件、電源構成を分けて読む必要があります。

なぜ電力を使うのか

ビットコインはProof of Work(PoW)で取引履歴を確定します。採掘事業者は計算能力を競い、機器と冷却・送電設備を動かします。消費量は、ビットコイン価格、報酬、電気料金、計算機の効率、採掘難易度などで変化します。

推計値は「時点」と「幅」を確認する

Cambridge Centre for Alternative Financeの2025年調査は、2024年6月30日時点を基準に年間電力消費を約138TWh、世界の電力消費の約0.5%と推計しました。これは全採掘拠点を直接合計した値ではなく、ネットワークの計算量、機器効率、事業者調査などを使う推計です。数字には調査年と出典を付けます。

「1取引当たり」の落とし穴

ネットワークの電力消費をオンチェーン取引件数で割る計算はできますが、個々の送金が採掘電力を直線的に増やすわけではありません。1件が複数の受取人を含むことや、Lightning Network、取引所内部の振替などチェーン外の処理もあります。比較にはシステム境界と件数の定義が必要です。

電力量とCO₂は同じではない

同じ電力量でも、水力・風力・太陽光・原子力・石炭・ガスなど電源構成で排出量は変わります。余剰電力や未利用エネルギーを使う事例を全採掘に当てはめることはできません。再エネ設備の他用途との競合、系統混雑、機器更新による電子廃棄物も評価対象です。

暗号資産を一括りにしない

PoWを使わないProof of Stake(PoS)型のネットワークは、合意形成の仕組みと電力需要が大きく異なります。ただし、分散性、セキュリティ、規制、価格変動のリスクは別に検討が必要です。環境負荷だけで投資判断をせず、金融庁の注意喚起も確認してください。

出典